イメージをつかんで、後悔しないリノベーションを

現在、各地でリノベーションの企業やメーカーによる相談会や勉強会が行われているのはご存知でしょうか? 相談会や勉強会では、カタログやホームページだけでは伝わりにくいサイズや質感、操作などを実際にイメージできます。会場では、それぞれの家族に合わせた質問も可能。中には資産運用やオプション、工期など、テーマ別の相談ができる場合もあります。

今回は、リノベーションにも取り入れられるオプションと、その機能を紹介します。

ピュアリフレ

UVカットガラスフィルムのこと。高層マンションなど、日照の強い部屋の中に差し込む紫外線を大幅にカットし、紫外線による家具の色あせなどを防ぎます。また、防虫効果(虫が飛んできて室内へ侵入するのを防ぐ)を持つ製品も登場。階層が高くない家庭や、自然が豊かな郊外のマンションにも導入されることが多くなっています。

ドアを引き戸に変更

正面開閉式のドアの場合、ドアを開閉するためのスペースが必要なため、その分部屋が狭くなったり、移動しにくいことがあります。そのような場合、ドアを引き戸に変更すると移動しやすくなります。引き戸と言うと、和室のイメージが強いかもしれませんが、昨今は壁の内装を反映したカラーリングや近代的な加工のものも登場。中には、閉める際、隙間5㎝のあたりで一度止まり、ゆっくりと開閉できる指はさみを防止するバリアフリーの機能を持った引き戸や、開閉で音がうるさくならないような消音加工をしたものもあります。

キッチンカウンター

リビングや食事室の方を向きながら食事のしたくや後片付けができるように、流し台やガスコンロが配列されているキッチンのこと。対面式キッチンといわれることもあります。リビングで子供の様子を見ながら家事ができたり、見た目がおしゃれなことが支持され、根強い人気となっています。

換気扇フィルター

換気扇掃除の手間を抑えるオプションとして人気です。マンションで多く見られる換気扇は、レンジフードが深型と呼ばれるタイプのもの。内部ではシロッコファンと呼ばれる幅の狭い羽根がついているファンが回転し、煙をダクトから排出します。ファンを隠すように前面に金網がついているタイプが多いため、換気扇フィルターを取り付ける場合は、金網の上から取り付けるほか、金網を外して換気扇フィルターをはめこむ方法が一般的です。
なお、住宅により規格が異なる場合があります。リノベーション相談会などでは、施工業者に寸法や品番などを確認しておくと、今後、取り替え部品を購入する時に便利です。

ガスコック

ガスファンヒーターの利用に役立つオプションです。床から伸びるガスコックにつなぐだけで、ガスファンヒーターが利用できます。ガスファンヒーターはすぐあたたかくなるという利点があるため、浴室での利用や、立ち仕事の多いキッチンでの使用を目的に取り入れる人が多くなっています。

キッチンの壁をキッチンパネルに変更

キッチンのコンロ周辺の壁面にキッチンパネルを取り付けると、メンテナンスが非常に楽になります。耐火性が高く、油や臭い、汚れがつきにくいステンレスやアルミ、タイル、ホーローなどが主に用いられています。

手すりを設置

バリアフリーの観点からも非常に需要が伸びているオプションです。浴槽からあがる際に、特に高齢者などが立ちくらみをして転倒する事故が増えていますが、手すりを付ければ転倒を予防することができます。手すりは浴槽だけにとどまらず、トイレ・リビング・玄関などに設置する事もあります。高齢者だけでなく、小さな子どもや妊娠中の女性がいる家庭も設置しておくと安心です。

室内物干し金具(天井から下がるタイプ)

天井から下げて、ハンガーなどをぶら下げて使うことができる金具です。マンションの場合、洗濯物の吹き飛びなどを心配して室内干しにする人も多く、需要も増えています。風通しがいいマンションでは、花粉対策や黄砂対策としても注目。省スペースで洗濯物を干せるスペースが確保できるとして、リノベーション後に増設を依頼する人も多いようです。高い吸湿性がある「エコカラット」との相性も良いため、エコカラットを検討する場合は、合わせて考えるのもよいかもしれません。

各部屋にエアコン設置

子供部屋や夫婦の寝室、広いリビングなどにエアコンが設置されていない場合もあります。特に、日照の影響で気温が高くなりやすい夏場には、エアコンが必要になるため、リノベーション時に検討するとよいでしょう。また、配線の都合のほか、排気設備を外付け出来るかの確認も大事です。

浴室テレビ

浴室の壁などに設置する小型のテレビです。入浴中にゆっくりとテレビを見ることができるとして、半身浴の流行や、ミストサウナの導入が増えるのと同時に、需要は高まっています。防水性の観点から見ると、壁中に埋め込む一体型が望ましいですが、価格の安いものもたくさんあるため、リノベーション時には後付けも考慮にいれておいたほうがいいかもしれません。

全熱交換型24時間換気

外気を直接取り込まないシステムのこと。外気の気温の影響を感じにくく、冷暖房効果を損ないません。また、ペットのいる家庭では、排泄物のニオイなどを効率よく除去できます。普段外に洗濯物を干さないマンションや、ホコリや花粉の多い季節の換気にも便利です。

ピクチャーレール

絵画や、写真の額装を安全に固定ができるオプションで、壁のインテリアにこだわる人に人気となっています。昨今は、耐震を意識した工夫があるものや、耐重量性の高いものも多く登場。中には、左右の移動や微調整が簡単にできるものや、目線の高さも調整出来るものなど、模様替えの幅を広げるようなものもあります。
設置の際は、ピクチャーレールを設置する壁の性質も確認することが大事です。石膏タイプの壁は設置が不可能。また、強度性能が高過ぎて後付けや調整の工夫がしにくいものもあります。

トイレ鏡面腰壁

トイレの便器からの尿のはね返りや、飛びはねによる汚れを抑える壁です。耐水性があるので、壁を水拭きすることも可能。掃除がしやすいだけではなく、壁を清潔に保てるため、子どもがいる家庭でも安心して使用できます。

浄水器

水道水を、給水栓(各家庭の蛇口)より後の段階できれいにするための機器のこと。水道水に含まれる、カルキ等の浄水用化学薬品を除去します。水道に直接設置するタイプや蛇口の先にフィルターを取り付けるもの、貯水タンクにそのまま施行されるもの、手軽なポット型、というさまざまなタイプがあります。また、蛇口一体型の中には、お湯を浄水できるタイプも登場しています。使用頻度次第で維持コストが変わりますので、自分の家庭ではどの程度使用するのか考えた上で検討したほうがいいでしょう。

全室マルチメディアコンセント (コンセント+インターネット回線+電話)

コンセントは、意外と忘れがちなオプションであると言えます。掃除機や加湿器、空気清浄機等、部屋を移動させて使う家電は多いので、たくさん設置しておくと便利です。そのほか、コンセントの増設に伴い、インターネット回線を増設するケースも多いようです。

< 環境機能とマンションオプションの関係 >

マンションオプションを付けると利便性が高まるだけではなく、環境機能をエコロジーの観点から高めている場合も多いようです。小さな子どもがいる家庭は、マンションオプションの見直しで、転倒などのケガを防止するほか、育児の負担を減らすことも期待できます。

定年を意識した夫婦の中には、リノベーションに高い関心を持つ人も多くいるようです。広さよりも、ケガや体調の変化を配慮した住宅設備の設定を望んでいるのが特徴と言えます。